ASH EYES PROJECT 日本の実験映画、個人映画を専門に扱うDVDレーベルです
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国内の映画館における作品鑑賞が年間平均1.5本と言われている現在、商業的な流通から遠く隔たった作家主義的な作品群、とりわけ個人の制作による映像作品は、今 後どのように発信されるべきなのでしょうか?
ハリウッド映画を中軸とする巨大資本の大型シネコンが乱立し、良心的で独自性を持った小さな映画館や劇場が、経営難によって閉館を余儀なくされている中、日本の 映画産業は「売れる」「売れない」といった価値基準のみに力点を置いて作品(商品)を分別し、ますます娯楽産業に徹した姿勢を強めているように思われます。
また、「映像の時代」とされるこの10年あまりの時間は、デジタル化応用テクノロ ジーの更新によって、映画やTVのシステム形態を飛躍的に進化させました。特に、インターネットによる映像配信技術は日進月歩であり、今や、携帯電話はカメラや受像端末と化し、各家庭には大型ディスプレイによるシアターが出現し、最先端の映像関連機器が据えられていて、多様な映像信号の大渦のなかに、人々のプライベー トな空間が浮き沈みしているかのような様相を呈しています。
このような状況の中で、映像を個的な表現手段として自覚し、かつ自己実現的なメディアのひとつとして捉えて地道な上映・展覧活動を続けている個人・団体がいくつか存在します。有効な設備や空間の絶対的な不足から、広く一般的な認知を得ているとは言い難いにしても、個人映像作家の作品をアーカイヴする試みは各地で徐々に進められています。これらの作業は、日本の個人映像作家個々の歴史的記録として必須ですが、なんと言っても、フイルム作品の物理的な変形や変退色、あるいはビデオテープメディアの物質的な脆さを考えると、作家宅の押入れに眠る無数の作品群をア ーカイブすることで、データベース化を図り、少しでも先の世代へデジタルパッケー ジとして送り出すことは急務と思われます。しかも、この作業によって変換された作品群は、映画館からシフトした「ホームシアター」へ容易に侵入し、消費される商品とし て映画産業が一方的に産み続ける回路から見落とされた、個人の非日常的で強度のある「視点」を日常の中に突きつけることを可能にします。
ASH EYESプロジェクトは、2004年6月29日に発足しました。私たちは、過去現在を問わず、また著名無名の如何をも問わず、個人映像作品の原版や各地の上映運動をリサーチした上で、個人作品集やアンソロジーを企画し、ASH EYES レーベルのDVDパッケージとして出版・流通させる事を目的としています。もちろん、50年以上の歴史 を持つ日本の個人映像世界を見渡し、その歴史的時代的意義を真摯に見つめ直すことが最大の目標である事は言うまでもありません。
ASH EYESプロジェクトは、個人映像作品に関するDVDパッケージを販売しますが、 基本的には非営利を是とします。販売売上げは、すべて製作費と収録作品作家へのロイヤリティーおよび継続出版にかかる繰越経費に充てる予定です。さまざまなコンテンツの営利的な商品化が加速する現代において、敢えてこのようなプロジェクトを立ち上げることは、常識の域を逸脱しているのかも知れませんが、犠牲的精神や使命感といったような気負いを持たず、このDVDを流通させることで、個人映像世界の根強くて広範なネットワークを再発見・再構築し、新たな作り手や受け手の発掘にも貢献できればと真剣に考えています。
皆様の温かいご支援ご協力を心よりお願い申し上げます。

2004年6月29日
ASH EYES プロジェクト